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愛犬ゆきこと、着物、庭などを綴る、ゴッタ煮blog


by enbo
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鎌倉彫・塗り講習会へ行って来ました!

群馬旅行後、程なくして・・・
ダンナ「蕎麦打ちの捏ね鉢が欲しい!」と、言いだしました。
折角なら、専用の捏ね鉢が欲しいとね。


で、私実家に捏ね鉢がある事を思い出して、TEL。
私「食器棚にある捏ね鉢使ってないなら欲しいんだけど・・・」
父「あー、まる(猫・今年春に無くなりました)が入ってたのはもう製品になってるよ」
私「え?じゃあ今あるのは?」
父「あれは、ホボ木地のままでちょっとだけ内側に漆塗ってあるだけだよ。」
「あれで良いなら、どうぞ! だけど塗った方が良いかなぁ」


と言う事で、先日あった塗りの講習会に飛び入り参加して、
捏ね鉢をヌリヌリしてきましたよ~。

江の電”和田塚駅”から数分にある、
鎌倉彫工芸館

職人の作品販売ブースや
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木地や漆工芸材料も販売
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2Fで、月2回ほどしていると言う、塗りの講習会。
を何故か「彫り専門」の職人が教えるという不思議な会ですv


実家に早めに到着!
”製品”になった、元・猫の寝床も見ましたが、
やっぱり、自分達で塗って使おう!と言う事で、
たまたまあった木地を提供して貰う事に。。。

出して貰ったら、”内側のエッジが立っている”と言う事で、
少しだけ削って滑らかにする事にしました。
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カンナと、
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ノミで削るという2つがありますが、
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ノミは慣れないと危ないって事で、カンナで削る。
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定時近くになったら、工芸館へ。
紙やすり150番で、更に滑らかにする。
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紙やすり&耐水ペーパーの束
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用途に応じて使い分ける。


滑らかに仕上がった。
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細かい粉を掃除機で綺麗にしたら、
いよいよ、塗りですvvv


塗りを待つ、漆達。
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販売は小さい木桶ですが、
色々出したり・作ったりするので、磁器のお椀に入っている物もあります。
木の蓋(と言うより、茶托の木地とかですが)の下には、
ラップの内蓋があります。


漆塗りには「定盤」と言う板の上で作業します。
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丈夫な板に、漆を何度も塗って仕上げた美しい板。
コレは、塗り職人が仕事を初めてする時に、一番最初に作るものです。


先ずは大体「木固め」と言う作業をしますので、「生漆」を出します。
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生漆・きうるし:顔料などが入っていない漆その物。
塗り易く、精製はしてある。
注意点は、出したそばからドンドン乾燥が始まるので、
少しずつヘラで出して、素早く丁寧に塗ります。

刷毛で少しずつ配りながら、綺麗に面を整えていく。
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刷毛目が立たない様に、仕上げに優しくなでると良い。


漆は、字を見ても分るように、水分が無いと乾きません。
水分=湿気です!
この湿気を利用・管理して乾かします。
乾かす場所は専用の箱

室・むろ。と言われる乾燥棚です。風呂とも言いますね。
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噴霧器で天井・床・側面・戸・・・と全て濡らした所に、
塗ったものを入れます。
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そして、上の画像の様に戸を閉めて、
数十分から数時間ほど乾燥させます。

家だと、使った後の風呂場で乾燥したりしますねv


使い終わったら、刷毛を油で丁寧に洗って、
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定盤を拭いたら終了です。
刷毛を油で洗うのは、乾燥してバリバリにならない様にする為です。
混じりけのない油が良いですね。
油を付けたら付き出すと言う工程を数回して、
最後は、少し油を付けて、
ラップでピッチリ刷毛部分を覆えば保管が出来ます。


他の生徒さん達は、自分の作品を塗ったり
研いだり。。。
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乾いたら、その上に塗る前に、必ず「研ぎ」をします。
出ないと、漆が乗りません。
耐水ペーパーや砥石などを使って、ゴミや刷毛目を綺麗に研ぎます。
最初は綺麗な水も、最後は抹茶色vvv
この水を、実家の無くなった猫は飲んでましたね。
体に悪いだろうにヘンな使命感があったのか、
毎回飲んでました。
18年生きたから、十分ですけどねv


この生徒さんは研いだ後、
漆を塗ったら半乾きで、マコモを蒔く作業をしてました。
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マコモ菌という、菌を漆を塗った上に刷毛で均一に蒔きます。
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この工程を2回施します。
下地の一環だとか。。。



後は、姫鏡の鏡付けというレアな物もしてたので、こちらもUP!

先ずは、「刻苧・コクソ」を作ります。
補強や接着剤などで使うものです。
材料は柔らかめのご飯!!!!
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ひたすら、粒を潰して、練ります。

力を入れて、シッカリと滑らかになるまで、練ります。
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(この時も定盤を使います)

そこへ水を入れて濃度を少し緩くします。
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適度な緩さになったら、生漆を加えて混ぜます。
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均一に混ざったら、次は”木粉・キゴ”を半分以上大量投入!
少しづつ入れながら、まんべんなく混ぜます。
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使っているヘラに抵抗を感じる固さまで、木粉を入れまして。
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強度を上げる為に「コクソ綿」と言う物を、細かく切って入れます。
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更に練って完成です!
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コクソ綿本来は、使い古した裃の繊維を入れて使ってたそうな。
様は使い古しの麻布を繊維に戻して入れてたみたいです。

不思議な材料はこちら↓
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1階の材料売り場にあります。
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作ったら早速、鏡の縁へ付けていきます。
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この様に、先が平たくてカーブした竹ベラで少しずつ配ってたら、


ヘラで何度か均して滑らかにします。
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周りを拭いて、乾燥します。
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鏡面は次の日に、細い竹ベラでゴシゴシすると、綺麗になるそうです。
その後、弁柄漆などを薄く塗って乾いたら完成!
と思いますv


と言う風に、塗りの作業を一つずつ丁寧に教えて行きます。
マニュアル本はありません。
カリキュラムや教材も無いです。
塗りたい物を持ってきて、自由に塗っています。
乾口塗り!とか擦り漆だけで、仕上げたい!
と言う要望にも柔軟にこたえてます。

材料や道具は無ければ、貸し出しますし、
家で眠っている木製品の修理とか色々出来そうですね。
講習費は2500円。
木地などはご自分でご用意して下さい。

彫刻も!!!と言う方は、
別で彫り教室などで掘ってみるのも良いですねv



この日は5人のうち、3人が参加。
お茶菓子も頂いてしまいました!
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甲子園クッキーは「早稲田実業」の!!!
なんでも、息子さんやお孫さんが通ってるとかね。
記念のボールまでありました。
元、Y校野球部1期生もいらっしゃいましたし、
野球の話で盛り上がりましたよ~。

で、うちのダンナは今回の優勝校出身ですv
ごめんなさいね、先輩方!
と言っても、ダンナは野球部じゃなくて吹奏楽部だし、
父は元サッカー部v

私ですか?
古ーい女子高だったので、縁がございませんでしたね。。。。



今の日本を担って来た諸先輩方のお話は、面白かったですねぇ。
知識も豊富で、ついていくのがやっとでした。
今は、お孫さんもいて、趣味に没頭できる時間も沢山あって。
悠々自適な生活なんじゃないでしょうか。


そんな生活、出来るのかな・・・(遠い目)



と言うわけで、飛び入りでやってきた漆塗り。
少しずつ通って、美味しい蕎麦が年末に食べられたら良いなぁ
と、淡い期待を抱いてv

by turewamyuki | 2015-08-25 11:55 | 手作り